『文化は歴史から紡ぎ出される』


現在を生きる私たちと、
1000年以上の昔に生きていた祖先たちに共通することがあるとすれば、
それは、この同じ「場所」で生活をしているということです。
土地・気象・地形は、農作物のみならず、
そこで暮らす人間の考え方や感じ方にも影響を及ぼします。
その意味では、歴史を探ることで、
私たちは祖先と共感できることをたくさん発見できるはずです。
この土地で生まれた考えや、
それに基づいた祭礼・道具・暮らし方に至るまで、
探求しながら時空を超えて、
祖先たちと大いに共感したいものです。

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『他ではない、この場所で生まれた芸術に触れたい』


昔から、人は土地に結びついて生きてきたはずで、物流が発展する前までは、その土地で採れた作物を食し、体も心も、その場所で生きることに適したように成長させてきました。グローバル化した今も、「土地柄」というものは、しっかりと存在しています。しかしながら、土地の個性を感じる文化や芸術は、昨今の忙しい生活の中では、放っておいても生まれて来てはくれないことは、もう明白です。

その土地で生まれた文化・芸術には、その土地の人の心を豊かにするチカラがあります。現代環境の中に生きる私たちは、もっと心を解きほぐし、文化・芸術によって心を耕すような体験をすることでインスピレーションを得た方がより良い社会づくりに貢献できる人間になれるのでは?と常々思うのです。

地方都市は時々、他から新しいことを取り入れるのが下手だと言われることがあります。ですが逆を言えば、自分たちで新しいものを生み出すことは上手いのかもしれません。多様化の時代と言われて久しいですが、それはたくさんの種類の正解が必要な時代であることを意味しています。私たちは、この土地で生まれた文化・芸術なら、この土地で生活する人にとって最も良い影響を及ぼすはずだと信じてやみません。

文化・芸術の地産地消を促すことこそ、この財団の果たすべき役割だと思っています。

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『生活支援活動は財団のミッションです』


生活困窮者への支援もまた、文化・芸術の興隆への基盤を築く活動であることから、
当然、私たち杉本育文化財団の使命と捉えています。
実在する一定数の貧困問題や、昨今の自然災害、
新型コロナウイルス感染にまつわる問題など、
さまざまな社会課題に対し、文化・芸術などの豊かさを感じられる社会の実現のために、
私たちにでき得る支援を精力的に行っていくことも、
この財団の存在意義のひとつと考えております。

【支援活動の一部をご紹介】

2021年度は、まだ新型コロナウィルスが猛威を振るっており、食品の生産者・消費者の両方の中に、苦境に立たされる人が出てしまいました。そこで財団の財源より地元の生産者の方から、米を1トン買い上げ、アルバイトがしにくくなってしまった学生や、コロナ禍で転職を余儀なくされた方々を対象に米の無償配布を行いました。

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このほかにも、未来を担う子供達に対し、温かい食事と空間を提供している「こども食堂」への支援なども実施準備中です。